調査研究レポート

【2000-2】携帯電話で用いられる1.5GHz電磁波の脳組織に対する影響─Big Blue Mutant Assayによる変異原性検索─

研究目的

携帯電話の電波と脳腫瘍との関連性について検討しました。この研究では電波ばく露によって脳組織の細胞に突然変異が誘発されるかどうかを動物実験により確認しました。

研究手法

本研究では動物実験における変異性原性解析法として有用なBig Blue Mouseを用いて調べました。具体的にはlambda/lacI shuttle vectorが遺伝子導入されているBig Blue Mouse  30匹を3つの群にわけ、それぞれ脳組織に対して高ばく露群(SAR=2 W/kg)、低ばく露群(SAR=0.67 W/kg)、偽ばく露群(電波ばく露なし)の出力で1.5 GHzの電波をばく露しました。電波ばく露は1日90分、週5日、計4週行いました。電波ばく露後にマウスの脳組織を比較検討しました。

研究結果

ばく露群、偽ばく露群において遺伝子変異頻度に有意さは認められず、また、ばく露期間との関連もないとの結果が得られました。また各群において観察された遺伝子変異の種類についても、電波ばく露によるものと思われる事象は観測されませんでした。さらに脳細胞における細胞増殖活性化についても検討しましたが、ばく露群と偽ばく露群との間で有意な差は認められませんでした。

本研究から派生した論文

Takahashi S, Inaguma S, Cho YM, Imaida K, Wang J, Fujiwara O, Shirai T. Lack of mutation induction with exposure to 1.5 GHz electromagnetic near fields used for cellular phones in brains of Big Blue mice. Cancer Res. 2002 Apr 1;62(7):1956-60. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11929810


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